タイでオーバーステイ(不法滞在)1ヶ月。でも罰金はバックれたい。そんな君たちのために詳細を綴る。
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2018年6月26日

「ヘイ、ブロー(兄弟:ブラザー)お前これオーバーステイ(不法滞在)じゃないか?」

「え?いやいやそんなことないよ。だってツーリストビザのここに28日までって書いてあるでしょ?俺は3ヶ月タイに滞在できるんだよ!」

「ん?おお確かに、そうか俺の勘違いだな」

「でしょでしょ?俺オーバーステイなんかするつもりないもん」

「あれ?でもこれ・・・やっぱりオーバーステイだよ。入国スタンプに5月31日までって書いてあるぜ」

「うそ?」

「ほら、ここに。しっかりと書いてある。お前1ヶ月もオーバーステイしてるよ」

現在タイで不法滞在(オーバーステイ)してます

冒頭のやり取りは昨夜の出来事。カンボジアに行くためにパンガン島からバンコクに到着。ホテルにチェックインするときにパスポートを見せるんだけど、その時にホテルメンが教えてくれました。

焦るぼく。

ニヤニヤしてるホテルメン。

「大丈夫だよ心配するな。日本人は問題ない」

 

3ヶ月前にラオスでタイのツーリストビザ「シングル」をゲットしてタイに入国したんだけど、ツーリストビザには大きく28 June 2018と日付が書いてあったので、その横にコチャコチャと書いてある英語を確認していなかった。

確認してみると確かに

This visa must be utilised before 28 June 2018
(このビザは6月28日までに使用してください)

と書いてある。

 

ビザ使用の有効期限が3ヶ月で、滞在期限は入国から60日までだった。ぼくはこれを勘違いして「わお!ラオスだと3ヶ月の滞在ビザがもらえるんだ!ラッキー」くらいにしか考えていなかった。

ぼくがオーバーステイしていることがわかったのは21時過ぎ。もちろん在タイ日本大使館は閉館しているし、オーバーステイの情報はネットで収集するしかない。

ググってみると「21日以上の不法滞在は逮捕される可能性がある」なんて色々なブログに書いてある。

「FUCK ME!!!!!!!!」(なんてこった!)

と叫びたい気持ちを抑えてぼくはググる。ググってググってググりまくる。

【罰金を払えば問題ない(1日につき500バーツ 約1700円)】【タイ警察は2016年の3月から不法滞在者に対しての取り締まりを強化した】【入国禁止になる可能性がある(個人的にこれは問題ない)】

 

罰金の上限は20000バーツまで(約67000円)

我らがGoogle先生が出してくれた結論は

「あなたの罰金額は現在13500バーツ(約45000円)です。支払わなければ刑務所行きです。」

どうやらタイでオーバーステイした時の罰金は最大で20000バーツという上限があるらしい。

いやだ。そんな大金支払いたくない。だってツーリストビザに大きく28 JUNE 2018って書いてあるし、こんなの誰だって勘違いする。もちろん入国スタンプには31 MAY 2018って書いてあるから、悪いのは間違いなくぼくだ。

グシグシと考えていたら腹が減った。「そうだ!4年前に宿泊したママゲストハウスの連中なら何か知っているかも!ついでにカオサンロードで飯食おう」

ママゲストハウスは貧乏バックパッカーの間では有名な安宿でカオサンロードの裏道にあり、アゴダやエクスペディアにも登録していない。貧乏な日本人が集まることでも知られている。

タイのカオサンロードで一番安い宿はママゲストハウスの1泊100バーツ。アゴダにも載ってないよ。(記事執筆中)

 

4年ぶりのママゲストハウス。元カノと出会った思い出の場所。(彼女と出会った話しはまた別の機会に)

「ママ、俺どうやらオーバーステイしてるんだけど、これから俺はどうするのがベストだ?」

「あら久しぶり、元気だった?・・・大丈夫よ心配しないで。明日、日本大使館に行きなさい。」

「そっか、それを聞いて安心したよ。ママの言葉だと安心できるね」

ママの娘「ふふふ(ニヤニヤ)、あんた何してんの?とりあえず〇〇にパクられないように気をつけなさいよ」

ママの娘はママゲストハウスの看板娘である。ママゲストハウスに併設されているバーを取り仕切っている。ぼくが抱く彼女のイメージは「剛腕」。腕が太いとかじゃなく、神経が図太い。動じない。この子と付き合ってみると意外と面白いかもと感じさせるような女性だ。ママゲストハウスのバーに現れる酔客から容赦無く料金を取り立てる(余分に)強者だ。しかし残念ながら旦那がいる。

 

とりあえずママと話したら少し安心した。カオサンロードで何か食おう。

カオサンロードはいつでも騒がしい。ロードを歩くと両方の店から重低音のサウンドが身体全体をズシズシ叩いてくる。カオサンロードは歩行者天国で、酔った無数のヨーロピアンが路上で踊り狂っている。この雰囲気が不法滞在者であるという現実からぼくを引き離してくれる。

W杯のアルゼンチン戦が観れる静かなレストランを探したが、カオサンロードに静かなレストランなぞ存在しない。

騒がしいが客のいないレストランで卵サラダとオレンジジュースを注文して、アルゼンチン戦に集中する。「メッシ!行けっ、メッシ!」アグエロの代わりにイグアインが先発だった。メッシとイグアインの意思疎通はできているのだろうか?前節のアルゼンチンはまさに「お願いメッシ!ボール渡すから得点して!」状態で、メッシがチームから浮いているのが目に見えたが、今回は多少は改善されているようだ。メッシとチームメートとのパスワークが前回よりも多い気がした。

GOOOOOOOOL!!!!!!!! メッシが利き足とは逆の右足一閃!ボールがナイジェリアGKをきれいに躱してゴールネットに突き刺さる。シュートに行く前のメッシのトラップに目を見張った。後ろから来るボールをあんなにソフトにトラップできるなんてサッカーやってて楽しいだろうななどと考えつつ、サラダを食べ終わったので席を立つ。

騒がしいカオサンロードを歩いてホテルに戻る途中、ホテルまでの裏道がすごく怖い。ゴキブリとネズミが集団で襲ってきたらどうしようか?自分が不法滞在者であるという自覚が、無駄に恐怖感を煽る。

無事にホテルに着いた。エアコンでキンキンに冷えた空気がぼくに「お疲れ様、今日はよく眠ってね」と言ってくれているようだ。ホッとした。

 

 

 

下の階で歓声が上がる。どうやらアルゼンチンがナイジェリア相手に勝ち越し点を取ったらしいことはわかるけど、カオサンロードの喧騒から現実に戻ったぼくはいま、メッシどころじゃない。ぼくの頭は明日以降の行動で最適解を見つけるべくフル回転している。眠れない。

「負ければいいんだアルゼンチンなんて」などとネガティブに考えながらぼくはググる。どうにかしてこの難局を乗り切る方法はないか?

とりあえず明日、在タイ日本大使館に電話して聞いてみよう。

今日はもう疲れたから寝ることにした。パンガン島からフェリーとバスを使って12時間かけて移動したのですごく疲れてる。

「FUCK ME....」

ぼくは小さな声で自分を罵りながら眠りについた・・・

 

 

 

が・・・下の階がうるさい。アルゼンチンが決勝トーナメント進出を決めて興奮しているバックパッカーたちが騒いでいる。

「SHUT UP!!!!!!!!」(黙れ!日本ではシャラップと言われることが多いがシャッタップという

下の階が静かになったところでようやく眠りにつく。

オーバーステイについては日本大使館職員もよく解っていない

朝9時に目が覚めた。昨夜寝たのは朝5時頃。頭が冴えている時は4時間の睡眠でも十分だ。むしろ4時間睡眠を続けたら頭が冴えて来る気がする。

起きてすぐに在タイ日本大使館に電話する。

「すいません、どうやら1ヶ月近くオーバーステイしているようなのですが、この後ぼくはどのような行動をしたら良いでしょうか?刑務所に行く可能性はありますか?」

「とりあえずイミグレーションオフィスに行ってください。日本人がオーバーステイで刑務所に行ったという話しは今のところ聞いていないので、その点は安心して大丈夫かと思います。」

少しだけホッとした。オーストラリアとかの先進国にある刑務所なら入ってもいいけど、タイの刑務所はちょっとキツい。記事を書くためという理由をつけても入りたくない。

刑務所に入らずして、その国家を真に理解することはできない。国家は、どのように上流階級の市民を扱うかではなく、どのように下流階級を扱うかで判断されるべきだ。

もちろん尊敬するネルソン・マンデラ氏にこんなことを言われてもタイの刑務所には入りたくない。彼は現在のタイの刑務所よりも劣悪な環境のロベン島刑務所に20年以上も拘束されていた。南アフリカで黒人の権利を白人から取り戻すために。
ぼくにはそんな高尚な思想はないので無理だ。タイの刑務所に入ったら初日で自殺する自信がある。
在タイ日本大使館の職員がいう通り、すぐに熱いシャワーを浴びてGRABでタクシーを予約する。タイでトゥクトゥクに乗るのはもうすでに時代遅れだ。料金も15%以上GRABの方が安いし、無駄に値段交渉をする必要もない。さらにGRABのドライバー専用アプリはGPSでナビしてくれるので、ドライバーが道に迷うこともない。

Grab - Ride Hailing App

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開発元:Grab.com
無料
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GRABの使い方はとっても簡単!タイのタクシー業界ではGRABとUBERがしのぎを削っている(記事執筆中)
カオサンロードからバンコクのイミグレーションオフィスまではGRABで260バーツ。タクシーやトゥクトゥクだと300バーツになる。40バーツも浮けば美味しいグリーンカレーが食べれるよ。(GRABだと途中の高速料金もドライバーが支払うので本当にお得)

これはたぶんサソリ。美味しそうでしょ?

 

イミグレーションオフィスに到着した。初めて来るバンコクのイミグレーションオフィスが入っている建物はマジで巨大だ。まるで空港みたい。使われていないスペースがたくさんあるし、イミグレーションオフィス以外の政府系機関もたくさんテナントしている。

イミグレ職員に「俺オーバーステイしてるんだけど、どうしたらいい?」って聞いたら別室に連れていかれて逮捕されるんじゃないか?なんて考えながら受付に行って状況を説明する。

「あっそう、とりあえずこの書類に必要事項記入してから戻ってきて」

イミグレ職員も慣れているのか、渡された書類とイミグレ職員の態度に若干拍子抜けして書類に必要事項を記入。再度受付に行くと別のイミグレ職員が対応してくれた。刈り上げのおじさんと思ったらおばさんだった。

「あんたちょっとここに記入漏れがあるよん。書いてきて。」

ぼくが想像していたイミグレ職員の態度と全然違うので、この人ちゃんと解ってるのかな?と不安になりもう一度ぼくの状況を説明する。ぼくの想像では別室に連れていかれて尋問され、逮捕。

「ぼくは1ヶ月オーバーステイしてるんだけど、あなた解ってますよね?」

「ふぁっ!?まじ?はっはっは、そうなんだ。とりあえず空港か国境に行って罰金を支払ってきてよ」

「え?ここじゃ処理できないの?」

「うん、ここはビザの更新とかがメインだから罰金の徴収はしてない」

 

知らなかった。どうやら在タイ日本大使館の職員も知らなかったみたい。

「チッ。なんだよ超無駄足じゃねーか。大使館職員って仕事してんの?」なんて考えは浮かばない。イミグレ職員の雰囲気から現在のぼくの状況がそこまで深刻ではないことを直感できたからだ。

ちょっと気持ちがあがった。刑務所に行くことは無さそうだ。イミグレの建物を出たぼくは空を見上げた。梅雨時期のタイの曇り空が囁く。

写真はカオサン付近の遺跡?

 

「国境で勝負しろ。お前ならできる。罰金を収めない初めての日本人になれ!」

 

そしてぼくはいま、タイ - カンボジア間のボーダー(国境)を目指すべく、バスチケットを求めてカオサンロードを歩いている。明日以降の作戦を考えながら歩いていると、日本の女子高生のセーラー服を着た人がカメラの前で目隠しをされて何かをしている。新手のAVだろうか?

 

 

ぼくの作戦はただ1つ。サムライの魂を見せてやることだ。

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